わんちゃんの手作り食餌

2021年05月16日

シニア犬の手作りご飯・

薬膳レシピ

ご飯は愛犬にとって大きな楽しみの一つですが、加齢とともに散歩や遊びの時間が少なくなってしまう分、シニア犬や老犬では期待はさらに大きなものとなってきます。その期待に応えるためにも、愛情たっぷりの手づくりごはんに挑戦してみてはいかがでしょうか。

手作りご飯のメリット

良質なたんぱく質を手軽に増やすことができる

シニア犬・老犬になると、運動量とともに筋肉も減少してしまうため、代謝量も減ってしまって今までと同じ量のご飯をあげていても太りがちになってきます。

そこでただカロリーだけに着目してしまうと、ご飯を減らすことで筋肉量が減少してしまい、さらに代謝が低下・・・ということが起こりがちです。そういった悪循環に陥らない為にはごはんの「質」に着目することが大切になってきます。

犬は「肉食寄りの雑食」であるため、人間と比べるとより多くの動物性たんぱく質を必要とします。しかも、加齢に伴い摂取したたんぱく質を筋肉に変える「筋肉の同化作用」の能力が衰えてくるため、若いころよりもさらに多くの動物性たんぱく質の摂取が必要となってきます。

しかし、市販されているドックフードは、含有たんぱくの多くを植物性たんぱく質が占めています。筋肉量の維持・増量の為には、動物性たんぱく質をより多く摂取できる手作りご飯のほうが望ましいといえるでしょう。

水分摂取量を増やすことができる

また、代謝とともに衰えてくる腎臓の機能を補うため、水分を積極的にとることも大切です。手づくりごはんはドライフードとくらべて水分量が格段に多いので、無理にお水を飲ませなくても、食事とともに水分摂取量を調整することができるメリットがあります。

医食同源

体によい食材を日常的に食べることで身体を養い、健康を維持することができるという考えかたです。手作りご飯であれば、ダイエットなどの目的や、肝臓が弱いなどの体質といった個別の目的に応じた補養作用のある食事を手軽に取り入れることができます。

手作りご飯のデメリット

栄養バランスをとるのが難しい

肉食動物は獲物を内蔵や骨ごと食べていたため、人間の食事ベースの手作りご飯ではカルシウムやタウリン、亜鉛といった栄養素が不足しがちです。そのため、完全な手作りご飯の場合、サプリメントや内臓食の併用が必要となってきます。

保存がきかない

すぐに食べないと傷んでしまうので、冷蔵や冷凍での保存が必要となり、手間やスペースがかかる。

預けるときに困る

入院やホテルなどに預ける際、フードでないと対応を渋られることもあります。

肉は生であげても大丈夫?

加熱により不活化してしまう酵素を摂るため、また、犬はもともと調理しないものを食べてきた為、胃の中で肉を加熱する「胃内調理の能力が高い」からといった理由から、生食を勧める専門家も少なくありません。実際、フレッシュな血の匂いを好む犬も多く、食欲が落ちてしまった時などに与えることで食欲・元気が回復したというお話も度々耳にします。そんな興味深い生食ですが、取り入れる際に気を付けていただきたいことが3つあります。

衛生面

一時期人間の生レバー等でも話題になったように、栄養が豊富な生肉は食中毒の原因となる細菌が繁殖しやすく、食中毒のリスクも高いです。そのため、信用できる業者が処理した肉を用いることと、解凍したらすぐに食べきる必要があります。また、鹿などの野生動物は寄生虫や肝炎ウイルスを持っていることも多いため、しっかりと火を通す必要があります。

加熱食に比べると消化しにくい

生肉は胃の中で消化が始まる30分程の間に肉の持つ酵素により消化が促されるといわれていますが、加熱した肉と比べると消化のしやすさは劣りがちです。若いうちは問題がなくても、消化能力の衰えてくるシニア期以降は負担が大きくなってくる場合が多いです。たとえ食欲が衰えなかったとしても、食後に眠たがるようなら胃が疲れているサインです。フードと併用した場合、フードが胃液のphを上げてしまってさらに消化しづらくなってしまうため、トッピングで生肉を使用するのは控えておきましょう

以上のようにちょっと気を付けることが多いので、肉の中心に生部分の残る「レア」程度の加熱をすることをお勧めしています。

トッピングご飯にチャレンジ

いきなりすべてを手作りご飯にかえるのは、飼い主さんにとってハードルが高くなるだけでなく、愛犬の体にとっても負担になってしまう可能性があります。

そこで、ドックフードの量を少し減らして、人間のご飯から取り分けたお肉や野菜をトッピングしてみましょう。飼い主さんと一緒の食材を使うことで、ごはんの味が日によって変わる楽しみができますし、旬の食材を取り入れることで「食養生」にもつながります。

また、トッピングご飯でしたら、手作りご飯のデメリットも気にせず気軽に続けることができお勧めです。

ドッグフードはいつもの2/3くらいにします。そこに料理につかうお肉・お魚・お野菜などを少しとりわけ、さっと茹でればいいです。栄養がたっぷり含まれている茹で汁も捨てずにかけてあげましょう。

トッピングの場合、肉の量は体重5kgあたりで1日30g程度を目安にしましょう。お野菜はキャベツなら手のひらの大きさ一枚で良いでしょう。

手作りご飯を作ってみましょう!

トッピングご飯が楽しく続けられるようでしたら、いよいよ手作りご飯に挑戦です。

愛犬が1日に必要とする動物性食品(肉・魚・卵)は体重5kgあたり70g~100gというのが目安になります。 ご飯全体では60~70%を動物性食品とし、30~40%が野菜、穀類は10%以下となるのが望ましいです。

上記の量はあくまでも目安です。2~3週間ごとに体重や被毛の状態をチェックし、愛犬にとって最適な量をアレンジしてあげましょう。
毎日きっちりと分量を守る必要はありません。人間と同じで、「今日はめんどくさいから卵かけご飯にしちゃえ」なんて日があっても大丈夫!1週間程度をまとめて考えて、全体でバランスがとれていれば問題ないでしょう。

特に野菜や穀類に関しては、人間用のご飯を味付けする前に取り分けたり、調理の際の切れ端を用いたりすれば手間も省けます。また毎日色々な食材を摂取できるので栄養が偏ってしまうのを防ぐこともできます。ただし、カルシウムに関しては煮干しなどの食材で補おうとしても、リンが多くなってしまうため、生の骨があげられない場合はサプリメントを活用することをおすすめします。
また、定期的にハツやレバーといった内臓を取り入れるよう心掛けてください。

手作りご飯というと「茹でる」というイメージが強いですが、チャーハンなどの炒め物を喜ぶ愛犬も多いです。少量でしたら調理油を使っても大丈夫ですし、特にごま油の香りは人間同様、愛犬にとっても食欲をそそるようです。

また、炭水化物にはご飯だけでなく、うどんやパスタもおすすめです。基本的には短く刻んで与えますが、なかには、長いままちゅるちゅると上手にすすって食べてしまう子もいるようです。

おうちの愛犬が好きなレシピを色々と試してみるのもまた楽しいですね。

処方食を食べていても大丈夫?

人間と同様、年をとると持病も増え、病院から指定された処方食を食べているシニア犬や老犬も多いです。

そういった場合でも、例えば膀胱結石でしたら水分量を増やしたり、動物性食品の種類を考慮したりすることができます。腎臓病でしたら牛肉や卵白などリン含有量の少ない良質なたんぱく質を使用することで対応することが可能です。

愛犬にとって危険なたべものもあります

人間には問題がなくても、愛犬にとっては毒になってしまう食材もありますので手作りの際には注意が必要です。飼い主さんも愛犬もせっかくの手作りご飯が台無しになってしまってはガッカリです。

あげてはいけない食材

ネギ類

アリルプロピルジスルファイドという成分が赤血球を破壊するため貧血を起こしてしまいます

チョコレート

テオブロミンという成分が貧血を起こしてしまいます

キシリトール

低血糖を引き起こしてしまいます

あわび・サザエ

特に3月から5月は毒性が強く、光過敏症の原因となります

注意をしたほうがよい食材

ブドウ

原因物質や機序は解明されておらず、個体差もあるものの、中毒を起こしてしまうことがあります。 あげるのは避けておいたほうが賢明です。

青魚

DHAなどの栄養が豊富で良質なタンパク源となります。しかし毎日青魚ばかりというようなことが続くと「黄色脂肪症」という病気の原因となってしまいます。週に1・2回に留めておいたほうがよいでしょう

タコ・イカ・貝

生であげるとうまく消化できずにお腹を壊してしまうこともあります。小さく切ってしっかり加熱して与えるようにしましょう

パン

砂糖や塩、バター等が含まれるので、愛犬に与えるのはあまりお勧めしません

アボカド

大量に摂取すると、ペルジンという成分が下痢や嘔吐の原因になります

加熱した骨

噛み砕くと先がとがってしまうので消化器を傷つける恐れがあります。鶏の骨でも生であれば問題はありません

 

幸せシニア犬・老犬ライフチェック

手作りご飯にかえたからといって毎日きっちり作らなきゃ!と気負う必要はありません。2・3日分まとめて作り置きしておいて、あげる前にちょっと温めてあげたり、忙しい朝はドライフードで済ましてしまったり、と、飼い主さんにとって楽しく続けられるやり方を、愛犬と一緒に探してみてくださいね。

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